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  3. Vol.08 怪我をしても諦めず、より強くなってコートに戻ってくる。応援してくれる人や大好きな大阪に、プレーで恩返しをしたい。

大阪にゆかりのあるアスリートの皆さんにご登場いただき、
スポーツへの想い、地元への想いについて聞くスペシャルインタビュー。
競技のことだけでなく、貴重なエピソードや素顔にも触れた
SPORTS OSAKAならではの特別なコンテンツです。

Vol.08

ハンドボール

喜田 ことみ選手 [大阪ラヴィッツ]

Kotomi Kita

今回ご登場いただくのは、大阪を拠点とする女子ハンドボールチーム「大阪ラヴィッツ」所属の喜田ことみ(きた ことみ)選手です。チームの司令塔的な役割を担うセンターバックとして活躍するとともに、2022年にはU-20日本代表選手にも選出され、6月にスロベニアで開催された女子ジュニア世界選手権に出場。その試合中に(膝の)前十字靭帯断裂という大きなアクシデントに見舞われました。現在、チームへの復帰、さらには日本代表選手として大舞台での活躍を目標に懸命にリハビリに取り組んでいる喜田選手にお話を伺いました。

怪我をしても諦めず、より強くなってコートに戻ってくる。
応援してくれる人や大好きな大阪に、プレーで恩返しをしたい。

喜田 ことみ

Interview

ハンドボールを始めたきっかけを教えてください。

中学1年生からです。走るのが好きだったので陸上部に入部しようと考えていたのですが、中学校の陸上部があまり活動をしていなくて、どうしようか悩んでいたところ、ハンドボール部の顧問の先生から声をかけられたんです。「部員が2人しかおらず、3年生が試合できないので、夏まででいいから入部してくれないか」と言われて。同級生と相談したところ、みんな(11人)で入部することになりました(笑)。

入部してみてどうでしたか?

ハンドボール自体をよく知らなくて、球技といえば、休み時間に遊びでやるドッジボールくらいしか馴染みがありませんでした。でも、部員が2人しかいなかったので、入部していきなりレギュラーで(笑)。試合をやっているうちに徐々に楽しくなってきて、結果もついてくるようになって、ずっと続けてきた、という感じです。

中学時代の大会での戦績もかなり良かったようですね。

2017年の全国大会では準優勝して、得点王にもなり、優秀選手賞もいただきました。JOC(ジュニアオリンピックカップ)では大阪府選抜のメンバーに選ばれて、全国3位になりました。高校時代(四天王寺高校)ではベスト8までいきましたが、コロナの影響で試合がほとんどできなかったのがとても残念でした。

特に印象に残っている試合があれば教えてください。

中学3年生の時の全国大会の決勝戦ですね。顧問の先生の夢が「全国大会のセンターコートで名前を呼ばれること」だったんです。決勝戦ではセンターコートで一人ずつ名前がコールされるんです。先生も私たちと一緒に引退することが決まっていたので、最後の最後に夢をかなえることができて本当に良かったです。

高校3年生の時に大阪ラヴィッツに加入されましたが、どんなお気持ちでしたか?

決まった時はもちろん嬉しかったです。同時に、社会人としてハンドボールと仕事を両立していけるのかという不安もありました。でも、大阪ラヴィッツという地元のチームに加入できた喜びを感じながら、チームの一員としてハンドボールで大阪のスポーツ界を盛り上げていけたらいいなと思いました。

やはり、地元・大阪には特別な想いがありますか?

生まれてから今までずっと大阪なので、愛着もありますし、大好きです。だからこそ、大阪ラヴィッツに加入できて、本当に嬉しかったし、家族も喜んでくれました。いつも応援してくれている家族や友人に恩返しをするためにも、良いプレーをして、結果を残して、チームの勝利に貢献したいです。

今年(2022年)、U-20日本代表に選ばれましたが、世界で戦ってみた印象は?

日本代表になりたいという想いはずっとありましたし、中学・高校でライバルだった選手たちと同じチームでプレーできることが楽しみでした。 世界の強豪チームと戦ってみて感じたのは、体格の違いですね。プレー中の迫力とか、体が触れた時の重量感とかが凄かったです。これからも、もっともっと戦ってみたいと思いました。

そのU-20での試合「第23回女子ジュニア世界選手権」で「(膝の)前十字靭帯断裂」の大怪我を負われました。当時の心境をお聞かせください。

「ああ、やっちゃった~」という感じでしたね(笑)。それまで大きな怪我はしたことがなかったし、こんなに長期間のリハビリ生活も初めてです。怪我をした時はもちろんショックで悲しかったですが、でもすぐに気持ちを切り替えて、リハビリに集中しようと思いました。怪我しない体づくりも意識しながら頑張っています。

今はリハビリに専念している状況ですね。

はい。まだ松葉杖での生活なので仕事も練習もお休みしていて、ほぼ毎日、リハビリに通っています。ハンドボールができるようになるにはまだ時間がかかりそうですが、それまでに下半身を強化しておこうと決めて取り組んでいます。ふとももの筋肉強化や膝まわりの筋力アップですね。本格的な復帰は来年(2023年)の5月か6月頃になりそうです。

リハビリをする中で、励みになっていることや支えてくれる方々への想いがあればお聞かせください。

怪我をして辛い思いをしているのは事実ですし、毎日のリハビリはしんどいです。でも、幸い実家に住んでいることもあり、食事や生活の面で家族みんなが協力してくれて、常に励ましてくれます。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

復帰後の目標や意気込みを聞かせください。

まず怪我をしっかりと治して、ベストな状態にして復帰します。そして、復帰したら、また日本代表チームに招集されるよう頑張っていきたいです。その先は、オリンピック出場ですね。家族や応援してくれているみんなに、プレーで恩返しがしたいです。

喜田選手にとって、大阪ラヴィッツはどのような存在ですか?

大阪ラヴィッツの選手は年齢層が幅広く、さまざまな場所でハンドボールはもちろん、トレーニングも経験してきた人が多いのが特徴だと思います。ハンドボールだけでなく、社会人として学ぶことがたくさんあるので、自分にとってプラスしかない環境だと感じています。私はチームの最年少でもあるので、いろいろな面で心強いです。

喜田選手が得意とするプレーや強みは何ですか?

低い身長を活かしたプレーが得意です。スピードを使ってフェイントしたり、ディフェンスの間を抜けていったり、そういうスピードプレーが得意です。ステップシュートなどボールへの執着心が自分の強みだと思います。

今後、大阪ラヴィッツで達成したい夢や目標があれば教えてください。

大阪ラヴィッツではひとつでも多く勝利して、応援してくださる皆さんと喜びを分かち合いたいです。個人的には、注目されるようなプレーで盛り上げて、ハンドボールをもっとメジャーなスポーツにしたいです。

喜田選手が思うハンドボールの魅力はどんなところですか?

ハンドボールの魅力はなんといってもシュートです。みんなでパスをつないでシュートまで持ちこむ連携プレーや選手一人ひとり違ったシュートモーションだったり、シュートテクニックだったり見どころはたくさんあります。

最後に皆さんにメッセージをお願いします。

スポーツに怪我はつきものです。私も今、ハンドボールができず、むしろ歩くことも一苦労するような生活を送っていますが、全く諦めていません。毎日のリハビリは大変ですが、でもそれを積み重ねていけば、より一段と強くなってコートに戻れる日が来ると思います。同じように、怪我をして、苦しんで、リハビリを頑張っているアスリートの方もいらっしゃると思いますが、諦めずに頑張ってください。そして、みんなでスポーツ界を盛り上げていきましょう!

Special Interview

大阪ラヴィッツマスコットの
ラヴィーちゃんにも聞きました!!

喜田選手はどんな選手ですか?

まずは、喜田選手のオマケというカタチながら、ラヴィーちゃんを取材していただき、ありがとうございますピョン。
喜田選手については、おっとりしていますピョンけど、自分の考えはしっかり持っていますピョン。話し方などにスピード感や勢いはありませんピョンけど、それは思考を整理して自分の言葉で伝えようとする誠実さや責任感があるからで、とても信頼できる選手ですピョン。
今回の怪我も含めて「悲劇のヒロイン」と紹介されることが多くありましたピョンけど、常に前を向いている喜田選手は本当に強く、今後が楽しみですピョン。 なお、変なタイミングでいきなり笑い出すなど、笑いのツボだけはよく分かりませんピョン。

喜田選手に期待することは?

大阪ラヴィッツでは、リハビリ中の選手が大阪スポーツコミッション(OSAKA SPORTS PROJECT)関連の地域イベントなどに参加することが多くなりますピョン。喜田選手もそのメンバーに加わることになりますピョン。さまざまなふれあいを通して、たくさんの方々から応援していただいていることを実感できる貴重な機会ですピョン。いろいろなモノやコトを得て、今後の原動力につなげてほしいと思いますピョン。

大阪ラヴィッツの試合の見どころを教えてください!

大阪ラヴィッツマスコットのラヴィーちゃん

「ラヴィーちゃんだけを見てください」とお伝えしたいところですピョンけど、選手たちにバレたら怒られますピョン。 それはさておき、大阪ラヴィッツは小柄な選手が多いのが特徴ですピョンから、特にその選手たちにご注目いただきたいですピョン。たとえば、リーグで最も身長が低い(150cm)箱崎乃映選手が活躍するたびに、小さな子どもたちの希望や勇気になると思いますピョン。また、スピーディーにコートを駆ける選手や、スピーディーにゴハンを食べる橋本南選手、先読みのプレーがスゴい選手や、棒読みの話し方が魅力的な黒川のどか選手など、個性あふれる選手たちばかりですピョン。 大阪ラヴィッツを通して「スポーツは誰もが楽しめるもの」ということを実感していただき、スポーツを始める人、スポーツを続ける人が増えたら嬉しいですピョン。

【取材日】2022年9月9日 【取材協力】大阪ラヴィッツ
*記事の内容は取材当時のものです。

Profile

喜田 ことみ[Kotomi Kita]

大阪府大阪市出身。2002年生まれ。中学1年生の時にハンドボール部に入部し、すぐにレギュラー選手となって活躍。3年生の時には全国大会で準優勝を果たし、得点王、優秀選手賞など数々の個人賞を受賞する。女子ハンドボールの強豪校として知られる四天王寺高校に進学し、レギュラー選手として活躍。高校3年生の時に「大阪ラヴィッツ」から勧誘を受け、チームの所属選手となる。2022年6月にU-20日本代表に選抜され、出場した女子ジュニア世界選手権で大怪我を負う。現在、復帰に向け懸命にリハビリに取り組んでいる。

■主な戦績
・2016年
春の全国中学生ハンドボール選手権大会
3位(大阪市立住吉第一中学校)/ベストセブン(個人賞)
・2017年
全国中学校ハンドボール大会
準優勝(大阪市立住吉第一中学校)/得点王(個人賞)/優秀選手賞(個人賞)
・2017年
JOC(ジュニアオリンピックカップ)
3位(大阪府選抜)
・2022年
女子ジュニア世界選手権
9位(U-20日本代表)

(注)写真および記事の無断転用・転載は固くお断りいたします。

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