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  3. Vol.07 日々の練習が自分との闘いだからこそ、その先にある勝利の喜びが大きい。

大阪にゆかりのあるアスリートの皆さんにご登場いただき、
スポーツへの想い、地元への想いについて聞くスペシャルインタビュー。
競技のことだけでなく、貴重なエピソードや素顔にも触れた
SPORTS OSAKAならではの特別なコンテンツです。

Vol.07

トランポリン

西岡 隆成選手 [近畿大学/アベノジュニアトランポリンクラブ]

Ryusei Nishioka

今回ご登場いただくのは、トランポリンの西岡隆成(にしおか りゅうせい)選手です。トランポリン男子ナショナルチームの一員であり、パリ2024オリンピックでの活躍が期待されている注目のアスリート。2022年には、ワールドカップ2連勝を達成するなど、近年圧倒的な強さを見せています。この春から近畿大学に進学し、学業との両立も図りながら練習に取り組んでいる西岡選手にお話を伺いました。

日々の練習が自分との闘いだからこそ、
その先にある勝利の喜びが大きい。

西岡 隆成

Interview

トランポリンを始めたきっかけを教えてください。

実家の近くにスポーツクラブがあって、2歳の時から体操をやっていました。ほぼ毎日、通っていましたね。母の話によると、ある日、トランポリン選手を見て「僕もやりたい」と言ったそうです。全然、覚えてないですが(笑)、それがきっかけで小学1年生の頃からトランポリンを始めました。

最初、どんなところに魅力を感じたのでしょうか?

当時の記憶がほとんどないので、気がついたらトランポリンをやっていた、という感じです。スポーツクラブに通うのが日課になっていたので、トランポリンも生活の一部のような感覚だったと思います。球技など他のスポーツはまったく経験がなく、トランポリン一筋です。

大会で初めて優勝したのは小学6年生の時ですが、当時の感想は?

トランポリンの大会に出場するようになったのは小学2、3年生の頃からで、小学6年生の時に初優勝したのですが、あまり勝ったという実感はなかったですね。もちろん嬉しかったし、家族も喜んでくれました。

ご自身の成長を実感されたのはいつ頃からですか?

成長していると実感できたのは、つい最近、昨年(2021年)の世界選手権の時でしょうか。それまでの年齢区分による大会ではなく、世界の舞台で闘って、メダル(銀)を獲得できたことで成長を感じることができました。

昨年(2021年)の全日本選手権で2連覇を達成されました。

2連覇がかかっていたということもありますが、メディアの取材やテレビ出演もいくつかあって注目されるようになったので、それを観た方から応援の声をいただくことが多くなりました。ここまで来れたんだという自信と同時に、たくさんの期待を背負っている重みも感じるようになりました。
ただ2連覇がかかっているとはいえ、やることは変わらないので、特別に意識することはなく、練習でやってきたことをやって、しっかりと点数を取りにいくことだけを考えて挑みました。その結果、2連覇を達成することができました。

難度点世界記録(※)を達成した時の感想は?

普段通り、勝ちにいくために考えていた技で、それが世界記録になったというのは競技が終わってから聞きました。最初から狙っていたわけではなく、気づいたら世界記録だったということで、自分でもビックリしました(笑)。
(※)難度点世界新記録[18.9]/第35回世界トランポリン競技選手権大会(2021年11月)で達成

競技の前はあまり緊張しないタイプですか?

そうですね。さすがに世界大会とかになると多少緊張しますが、前の選手が高得点を出して、自分は後がなくなって追い詰められたりすると逆に緊張しないですね。子どもの頃からメンタルは強いほうだと思います。

近畿大学に進学されましたが、学業との両立はいかがですか?

近畿大学はスポーツにも力を入れている大学で、関連施設も充実しているので、しっかり活用させていただいて実力アップに繋げていきたいと思っています。自宅からも近くて便利なので、夜の練習時間にも影響が少なく、そういう点でも進学して良かったと思います。卒業後のことはまだわかりませんが、将来に備えて学業も頑張りたいです。

進学によって生活スタイルは変わりましたか?

基本的には変わっていないです。大学の授業が終わると帰宅して、すぐに準備をしてクラブで18時から21時くらいまで練習です。
オフは週に2日。水曜はトレーニングで、日曜は体を休めてリフレッシュするために、オンラインゲームなんかをやりながら家でゴロゴロしています(笑)。

地元・大阪に対する特別な思いはありますか?

父が大阪出身で、今も家族で大阪に住んでいます。もし大阪に住んでいなかったら、トランポリンと出会っていなかったと思うので、ある意味、運命かも知れませんね。アスリートは食事が大事ですから、(実家暮らしで)健康管理の面でも安心です。毎日練習しているこのクラブにも近いですし、とても良い環境でトランポリンに取り組めています。

今後の目標、将来のビジョンをお聞かせください。

目の前の目標で言えば、パリ2024オリンピックで、今はそこに照準を合わせて練習を積んでいるところです。東京2020オリンピックは、もともと年齢制限で出場資格がなかったのですが、コロナで1年延期になったためリザーブとして参加させていただきました。特に悔しいという気持ちは無かったですが、次のパリでは代表選手として大舞台に立ちたいです。もちろん、メダルを期待され、さまざまなプレッシャーもあると思いますが、闘うのは自分自身なので、全力で楽しみたいと思っています。オリンピックは限られた人しか経験できない舞台ですから、自分らしく楽しみたいです。

改めて、トランポリンの魅力はどんなところだと思いますか?

トランポリンは完全な個人競技で、しかも非常にアクロバティックです。常に危険が伴いますが、だからこそ、技ができるようになった時の喜びは大きいです。トランポリンという個人競技に取り組む中で、自分自身を突き詰めていくことで、技が磨かれ上達していく。カッコイイ競技だなと思っています。
トランポリンは誰でも気軽にできるスポーツではありませんが、アクロバティックなスポーツに興味があって、チャレンジしたいという方は是非、一度体験してみてください。近くで見るだけでもインパクトがありますし、テレビなどで見るよりも生で見るほうが圧倒的に迫力があって見応えがありますよ。

最後に皆さんにメッセージをお願いします。

トランポリンは個人競技ではありますが、練習する時はたくさんの仲間と一緒です。練習を通じて信頼を築いて、同じ目標を持って互いに高め合っていく、そういう過程や環境がスポーツの魅力でもあると思います。仲間が日本代表に選ばれれば応援したくなるし、自分の励みにもなります。僕もこのクラブや仲間たちが大好きですし、関わってくれるすべての方に日々感謝しています。アスリートの皆さんには、そういう時間を味わい、楽しんで欲しいですね。

【取材日】2022年8月29日
【取材協力】近畿大学、アベノジュニアトランポリンクラブ、日本体操協会
*記事の内容は取材当時のものです。

Profile

西岡 隆成[Ryusei Nishioka]

大阪府東大阪市出身。2003年生まれ。2歳から体操を始め、小学1年生の時にトランポリンと出会う。小学6年生で出場した「全日本トランポリンジュニア選手権大会(2015年)」での初優勝をきっかけに、数々の大会で好成績を残すようになる。2021年のワールドカップでは3回転宙返り7回の大技で「難度点世界記録」を樹立し、一気に注目を集めた。2020年・2021年と全日本トランポリン競技選手権大会2連覇、2022年ワールドカップでも6月・7月と連勝を果たす。2022年近畿大学に進学。現在、ジャパン男子ナショナルチームのメンバーとして、パリ2024 オリンピック出場が有望視されている。

■主な戦績
・2015年 全日本トランポリンジュニア選手権大会(11―12歳)個人男子で優勝(小学6年生)
・2017年 全日本トランポリン競技年齢別選手権大会(13―14歳)個人男子で優勝(中学2年生)
・2017年 世界年齢別選手権大会(ブルガリア)(13―14歳)個人男子で準優勝
・2018年 環太平洋選手権大会(コロンビア)シニア個人男子で優勝(中学3年生)
・2019年 桃山学院高等学校に進学
・2019年 全国高等学校トランポリン競技選手権で優勝(高校1年生)
・2020年 第57回全日本トランポリン競技選手権大会で優勝(11月)
・2020年 2020川崎トランポリンジャパンオープンで優勝(12月)
・2021年 第35回世界トランポリン競技選手権大会(11月)(アゼルバイジャン)
 *難度点世界新記録(3回転宙返り7回)18.9
・2021年 第58回全日本トランポリン競技選手権大会で優勝(10月)*2連覇
・2022年 近畿大学法学部に進学
・2022年 ワールドカップで優勝(6月)(ポルトガル)
・2022年 ワールドカップで優勝(7月)(スイス)

(注)写真および記事の無断転用・転載は固くお断りいたします。

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