ブレイキンを始めたきっかけを教えてください。
兄がダンスをしているのを見て興味を持ち、最初は見様見真似でやっていましたが、兄と一緒にダンススクールに行った時、先生のパフォーマンスを見て感動し、自分も通うようになりました。特にウインドミルという回転系の技が凄くて、回るスピードがめちゃくちゃ速いんです。先生のように自分もできるようになりたい、と思いました。ダンススクールには7歳の頃から通っていて、今でもその先生(KAKUさん)の指導を受けています。僕の目標とする偉大な師匠でもあります。
始めた当初から、自分にもできるという自信はありましたか?
自信はなかったですけど、やりたいという気持ちのほうが強くて、とにかく練習をしました。すると、1週間でウインドミルができるようになったんです。普通はできるようにるまで数カ月はかかるそうで、先生もビックリしていました(笑)。それからは、次のステップ、新しい技にチャレンジしてみたくなって、技が増えていった、という感じです。踊ることがどんどん楽しくなって、もっとレベルアップしたいと思うようになりました。
本格的にブレイキンに熱中しだしたのは、いつ頃ですか?
ブレイキンを始めて1年半後くらいに、フランスの大会に出場することが決まったんです。その少し前からですね、本格的に取り組むようになったのは。海外の大会に出場することになって、大技ができるようになりたいという気持ちが強くなりました。大技が一つできるようになると、それが自信になるし、モチベーションも上がります。大会に備えて、新しい技だけでなく、オリジナリティの追求にもこだわりながら、練習をしていました。
世界中の大会で活躍されていますが、これまでの優勝歴は?
国内・国外を合わせて優勝歴は50回以上あります。その中で一番、記憶に残っているのは2019年の夏にオランダで行われた「クラッシュ・バンディクー」という大会で、ベスト・コンボ賞をいただきました。この大会は、まずみんなで大きなサークルをつくり、一人ずつ前に出てパフォーマンスを行って、だれが一番盛り上げたか、観客の心を掴んだか、で競い合います。その時は僕も完璧なパフォーマンスがキマって、会場の雰囲気も最高潮に盛り上がり、競技が一時中断したくらいでした。自分自身も興奮して、テンションが上がりまくったのを覚えています。
国内の大会とは会場の雰囲気もかなり違うようですね。
イベントの規模も違いますし、お国柄もありますが、日本の観客は比較的おとなしいというか、行儀がいいというか、落ち着いている感じですね。もちろん、盛り上がる時は盛り上がりますが、海外の盛り上がり方とは全然違います。凄い技やパフォーマンスがキマると盛り上がりすぎて、何度も中断します。そういう体験をすると、やっぱり海外の大会にもっと参加したい、いいパフォーマンスを見せたいと思います。
飯沼選手の好きな国はどこですか?
個人的にはヨーロッパが好きです。大きな大会も多いし、いろんな選手と戦うことで親交も広がりました。海外の大会に出場するとモチベーションが上がりますね。でも負けるとやっぱり悔しいので、また次回も参加して、今度は優勝してやるぞ、という気持ちになります。