BMXとの出会いについてお聞かせください。
私が10歳の時に、近くの大泉緑地公園(堺市)で行われたレースを家族で見に行ったのがきっかけです。もともと父が小さい頃にやりたかった競技らしく、子供たちにやらせようと考えて誘ってきたようです(笑)。本当は弟にやらせたかったみたいですけど、私のほうが「やりたい!」と言って。翌日、さっそく自転車を買いに行き、道具も一式揃えてもらいました。
初めてレースを見た時の印象はどうでしたか?
自転車がもの凄いスピードで走り回って跳んだりするのが驚きで、その迫力に感動して、一瞬で心を奪われたという感じです。小さい頃から運動音痴だったので、まさか自分がスポーツに興味を持つなんて考えてもいませんでした。それほどBMXとの出会いが衝撃的だったんだと思います。
本格的にBMXをやろうと決めた時期は?
初めてコースを走った時、2つのコブでいきなり転んじゃったんです。その時、痛かったけど、「楽しい!」って感じました。それから2、3カ月後に、一番下のビギナークラスでレースに出たんですが、いきなり優勝しちゃったんです(笑)。両親も大喜びでした。最初の1年は「エンジョイ・ライド!」という感じで、ただ自転車に乗ることを楽しんでたんですけど、2年目からは全国のレースに参加するようになって、本格的にやりたいと考えるようになりました。
BMXがオリンピックの正式種目になったというニュースを聞いた時はどうでしたか?
まさか正式種目になるとは思ってなかったですね。オリンピックという大きな目標ができたことももちろんですが、BMXが一気に注目されるようになり、BMX人口が増えるきっかけが生まれたことが嬉しかったですね。
オリンピックという目標ができて意識は変わりましたか?
初めて世界選手権に出場して、世界にはこんなに強い選手がいるんだと実感しました。体力面も技術面もぜんぜん、自分はまだ世界で闘えるレベルじゃないと思い知らされました。それからの一年間は、とにかく猛烈に練習して、鍛えて、2度目の世界選手権では準決勝まで進むことができました。優勝は逃しましたが、世界で闘える自信が生まれて、このまま突き進もうと思いました。