OSAKA 未来アスリート

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大阪にゆかりのあるアスリートの皆さんにご登場いただき、
スポーツへの想い、地元への想いについて聞くスペシャルインタビュー。
競技のことだけでなく、貴重なエピソードや素顔にも触れた
SPORTS OSAKAならではの特別なコンテンツです。

Vol.10

アンバサダー

打浪 優さん [日本ペイントマレッツ]

Yu Uchinami

今回は、スポーツを支える立場で活躍されている方にお話を伺う『OSAKA未来アスリート』特別編。元卓球選手で、現在、日本ペイントマレッツのアンバサダーとして選手・チームをサポートしている、打浪優(うちなみゆう)さんにご登場いただきました。大学時代にスカウトされ、2018年のTリーグ発足と同時に日本ペイントマレッツに入団。大学生Tリーガーとしてデビューし、闘志あふれるアグレッシブなプレーでファンを魅了しました。2022年3月に現役を引退後、チームのアンバサダーに就任。サポートする立場になって「スポーツの楽しさをより強く感じるようになった」と語る打浪アンバサダーに、活動のやりがい、卓球やスポーツ界への想いなどをお聞きしました。

ファンの目線でチームを応援できるのがアンバサダー。
卓球の楽しさを多くの人に感じてもらいたい。

打浪 優

Interview

アンバサダーとしての活動内容を教えてください。

選手たちのサポート業務のほか、試合の運営管理やSNSの運営、広報活動などが中心です。その他、イベント参加や社会貢献活動もやっています。大阪府の「トップアスリート小学校ふれあい事業」では、大阪府内の小学校を訪問し、卓球教室などのふれあいを通じて子どもたちに卓球の楽しさを感じてもらい、スポーツに親しむきっかけづくりを行っています。また、社会貢献活動の一つとして、全国の保育園や小学校などに「こども卓球台(※)」を毎年、寄贈する取り組みも行っています。そうしたイベントや活動に関わるサポートもアンバサダーの仕事です。
(※)「こども卓球台」=ケガをしないよう四隅が丸くなっており、高さも一般のものより10センチ低い。

サポート業務は具体的にどのようなことをされるのですか?

選手が練習しやすいようにコートや練習場をきれいに整える他、試合の時は会場の整理や観客対応などもします。またイベントがある時は関係者の方々との打合せや、当日は会場の設営をすることもあります。
それ以外では、ツイッターなどSNSの運営管理も大事な仕事になります。広報活動の一環としてもSNSを使った情報発信は重要ですから、できる限り更新回数を増やすように心掛けています。SNSの運営は結構大変ですが、最近では2022-2023シーズンの振り返り動画の編集作業も自分でやりました。できれば、いつかSNSをバズらせたいです(笑)。

アンバサダー就任の話があった時はどんなお気持ちでしたか?

現役を引退したらスタッフとして裏方になることは決まっていました。ただ、試合やイベント、社会貢献活動などで現場を訪れる際に、何か肩書きがあったほうがいいよね、ということになって「アンバサダー」になりました。もちろん、チームには今まで無かったポジションですし、Tリーグでも私のように選手からアンバサダーになる人がいるチームはあまり無いと思います。
実際に活動をするようになったら、肩書きがあって本当に良かったなと思いました。自己紹介をする時も「アンバサダーの打浪です」と言うほうが話しやすいですから。今ではもう、試合を観に来られるファンの皆さんからも「アンバサダー!」って声を掛けていただくくらい定着してきました。

就任してちょうど一年経ちますが、振り返ってみていかがですか?

裏方の仕事って大変だなぁ、と思いました(笑)。現役の時はまったく気づかなかったです。例えば一つのイベントを開催するためには、企画から考えて、スタッフや関係者との打合せ、会場の準備、そして実行まで、やることがたくさんあって最初はびっくりしました。こんなに手間と時間をかけてやってくれていたんだと、今更ながら感謝しています。
あとは、デスクワークに慣れるのに苦労しました。普段は朝から出社して事務作業をこなしています。社会人一年生でもあったので、書類づくりや仕事のスケジュール管理、電話応対など、すべてが初めての経験で、先輩方に助けていただきながら、なんとかやってこられたという感じです。ただ今でも、会議やプレゼンで大勢の人の前で発表する時は緊張で汗だくです(笑)。

選手をサポートする側になって、卓球の見かたは変わりましたか?

現役の時は、どうやったら得点できるか、どうやったら勝てるか、戦術面ばかり考えていましたが、今はお客さん目線で観ることが多いですね。お客さんがもっと観やすくするにはどうしたらいいだろうかとか、もっと楽しんでもらうために何かできないかとか、そういう目線で考えるようになりました。
例えば、先日、お客さんが会場のスタッフと「球が小さいよね」と会話しているのを聞きました。そんなこと、今まで考えたことも無かったですが、確かにそうですよね。「もっと近くで観られたらいいのに…」と思いました。どうしたらもっとお客さんが観やすくなるか、どの角度から観るとより楽しめるかなど日々考えています。

2022-2023シーズンは4位に終わりました。この結果をどう思いますか?

他のチームのメンバーを見ると、すごい選手が揃っているし、日本代表のメンバーがたくさん所属しているチームもあります。そんな中で勝ち続けることって難しいな、と思いながら観ていました。1回勝っただけでは駄目で、2回、3回と続けて勝たないといけない。そうなると相手チームも対策を考えてきますし、しっかりと研究してきます。その相手にどうやって勝つか、という難しさを改めて感じさせられたシーズンでした。プレーオフ進出まであと一歩届かず、我々スタッフがかなり悔しがっていましたね(笑)。でも選手が前を向いている姿を見て、自分も切り替えられました。来シーズンは絶対に優勝を勝ち取りたいです。

アンバサダーとして、選手たちのことはどのように見ていますか?

私が現役だった頃とはメンバーの顔ぶれがすっかり変わりました。今のチームの選手たちは本当に真面目というか、練習熱心ですね。年齢が比較的若いというのもあるでしょうが、時間があれば練習するぞ、という感じです。自分が今も現役だったら、学ぶことが多かっただろうなと思います。
選手との関わり方については、基本的に、自分はサポートする側の人間に徹したいと考えています。選手それぞれ考えていることはあると思いますし、あまり深く入り込まないように心掛けています。自分が現役の時は、深入りされるのがあまり好きじゃなかったので、ある程度の距離は保つようにしています。でも、普段はみんなフレンドリーな選手ばかりなので、とても接しやすくて、コミュニケーションをとるのは楽しいです。

打浪さんの現役時代はどうでしたか?

私の場合、本格的に卓球を始めたのが遅かったので、人と同じことをやっていたら追いつけないし、追い越せない。強くなるために、人と違うことをやろうと決めていました。例えば、中学生の頃は、朝から夕方までひたすらサーブの練習をして、夜からまた別の練習をしていました。そのおかげで、サーブだけで勝てる選手になれた、と言ってもいいくらいです。

他のチームにはないマレッツの魅力を教えてください。

Tリーグの他のチームと比較して圧倒的に素晴らしいファンサービスが魅力です。自分から率先してやってくれる選手がほとんどで、積極的に協力してくれます。試合前など、こちらが心配したり、気を使ったりするほどですが、そんな時でも「大丈夫ですよ」と言ってくれるので、本当に助かります。ファンの方々にもマレッツのファンサービスの良さが知られていて、少しずつではありますがファンの数も増えています。来シーズンも皆さんに喜んでいただけるよう、頑張りたいです。

Tリーグが発足して5年が経ちましたが、現在のリーグや競技への注目度、取り巻く環境についてどのように感じますか?

イベントや社会貢献活動で学校へ行ったりすると、大人も含めて、まだまだ認知度が低いなと実感します。Tリーグという名称すらまだ浸透していないです。だから、頑張って認知度を上げて、もっとたくさんの方々にTリーグを知ってもらいたいです。
私もアンバサダーとして、他のチームの方々と協力して何かできたらいいなと思っています。ぜひ、アンバサダー仲間が欲しいですね(笑)。他のチームにもアンバサダーをつくっていただいて、一緒にいろいろなアイデアを出し合えたら面白いと思います。

大阪スポーツコミッションでの活動など、さまざまなイベントに参加されていますが、参加することに対する思いをお聞かせください。

多くの方にスポーツの楽しさを知ってもらうことが第一だと思います。先ほど認知度が低いという話をしましたが、まずは体験して欲しいですね。初めてやる人にとって卓球は本当に難しいスポーツで、初めての人は球をラケットに当てることすら難しいです。でも、実際に体験してみて、私や選手たちが教えて、できるようになった時の喜びや感動を味わって欲しいし、みんなで分かち合いたいと思っています。
参加している人たちの表情がすごく楽しそうなので、まだ体験していない方はぜひ、会場に来てください。そして、卓球をきっかけにスポーツの魅力に気づいてもらえたら、嬉しいです。

最後に、未来のアスリートの皆さんにメッセージをお願いします。

どんなスポーツでも、継続してやり続けることが一番大事ですし、一番難しいことだと思います。でも一気に上達することはないので、コツコツと練習を積み重ねてください。続けることによって、人としても成長できると思いますし、諦めずに努力し続ければ、必ず強くなれると思います。スタートが遅くてもプロになることができます。頑張ってください!

【取材日】2023年3月30日
【取材協力】日本ペイントマレッツ/日本ペイントコーポレートソリューションズ株式会社
*記事の内容は取材当時のものです。

Profile

打浪 優[Yu Uchinami]

兵庫県出身。1996年生まれ。姉の影響を受けて小学4年生から卓球を始める。卓球選手としては遅いスタートながら、卓球を始めてわずか2週間後には、初出場した市の大会でベスト8に入る快挙を達成。その後、名門クラブ「伊丹卓球教室」に入ってからは才能を一気に開花させる。高校時代もチームを全国ベスト8に導くなど牽引役として活躍。大学2年生の時に初出場した全日本大学選手権で8位に入賞し、大きな注目を集める。その後、在学中に日本ペイントマレッツからスカウトを受け入団、大学生Tリーガーとしてデビューを果たした。Tリーグ発足から5年間活躍した後、2022年3月に現役を引退。同時に日本ペイントマレッツのアンバサダーに就任し、選手およびチームを多方面からサポートしている。

■主な戦績
・2016年 全日本大学選手権(個人の部)ベスト8
・2017年 全日本大学選手権(団体の部)ベスト4
・2017年 全日本大学選手権(個人の部)ベスト16
・2017年 全日本学生選抜選手権 ベスト8

(注)写真および記事の無断転用・転載は固くお断りいたします。

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