OSAKA 未来アスリート

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  3. Vol.05 成長を実感している今こそ、未来へ向かって大きな飛躍を!

大阪にゆかりのあるアスリートの皆さんにご登場いただき、
スポーツへの想い、地元への想いについて聞くスペシャルインタビュー。
競技のことだけでなく、貴重なエピソードや素顔にも触れた
SPORTS OSAKAならではの特別なコンテンツです。

Vol.05

フィギュアスケート

友野 一希 選手

Kazuki Tomono

今回ご登場いただいたのは、フィギュアスケートの友野一希選手です。大阪府堺市出身(在住)で、ジュニア時代から関西を中心に活躍。今や日本のみならず世界の大舞台で、その表現力豊かな演技で多くの観客を魅了しています。2021年春に大学(同志社大学)を卒業してからはフィギュアに専念。新たな飛躍を目指す友野選手にお話を伺いました。

世界中が熱狂するようなパフォーマンスで、
たくさんの人々を魅了したい。

友野 一希

Interview

フィギュアスケートを始めたきっかけを教えてください。

フィギュアスケートを始めたのは4歳の時です。実家から徒歩10分くらいのところにスケートリンクがあって、度々遊びに行くうちに興味を持つようになりました。母も昔フィギュアスケートをやっていたらしく、一緒に滑っていて楽しかったから、というのも大きなきっかけです。
当時は、「頑張るぞ!」という気持ちはあまり無くて、ただコーチが怖くて辞められなかったので続けていた、という感じです(笑)。でも気づいたら、小学生の全国大会にも出場できるほど上達していました。

ジュニア時代の練習は厳しかったですか?

小学生の頃は、やっぱり普通にみんなと遊びたいと思うこともありましたね。僕は学校が終わったらすぐ練習に行って、練習が終わったら家に帰るという毎日でしたから。でもスケートの仲間はたくさんできたし、会えることが嬉しかったので、練習が厳しいと感じたことは無かったです。

フィギュアスケート選手として開花したのはいつ頃ですか?

大学に進学する頃にはスケートは辞めているだろうな、と考えていた時期もありました。成績が悪かったわけではないですが、特別良かったわけでもない。全国大会で8位とか10位とか。将来、日本を代表するような選手になれるとは思っていませんでした。だから、僕はかなり遅咲きというか、今が一番の伸び盛りなんですよ(笑)

大学に進学された理由と目的をお聞かせください。

ジュニアの最後の年は、かなり成績が良かったんです。全国大会はすべて優勝するほど、絶好調でした。そんな時、大学(同志社大学)の方に声をかけていただいて、進学を決意しました。
僕が進学したのは「スポーツ健康科学部」なんですが、大学に行くなら自分に一番必要なことを学びたい、スポーツに関する知識を身に付けたかったというのが一番の理由です。

スケートと学業の両立は大変だったと思いますが?

大学時代は大阪と京都を毎日往復していました。朝、練習してから電車に乗って大学に行き、授業が終わると、電車の中でウトウトしながら大阪に戻って来て、また練習してから家に帰る、という毎日でした。正直、よく続いたな、って思います(笑)。
でも、毎日大学に行くのが楽しみで、それが自分にとっては気持ちのリフレッシュにもなっていました。アスリートとしての自分だけじゃなく、学生としての自分も見つめられる貴重な時間でした。

大学で学んだことで成長したと感じるところはどこですか?

一番変わったのは普段の生活ですね。スポーツ健康科学部では「健康」に関わることも重点的に学びますが、特に食事や栄養について学べたのが良かったです。大学では、他のスポーツ選手やまわりにいる学生たちに食事のメニューとか、トレーニング方法を聞いたりしていました。
トレーニング学や栄養学を勉強しているうちに、アスリートにとってはすごく大事なことなんだと実感しました。例えば、練習前後の体のケアだったり、1日の練習メニューの組み立て方だったり、役立つことがたくさんありました。
じゃあ、しっかり栄養管理ができていたか、と聞かれると、結構、好きな物を食べていたんですけどね(笑)。でもそういう知識があるだけで自分にはプラスになりましたし、アスリートとしての意識がより高まったと思います。

大学を卒業されて、これからは“フィギュアスケート一本”になりました。
今後の抱負をお聞かせください。

正直、将来のことはまだ考えていません。卒業してからはスケート選手としての自分と向き合いながら毎日を過ごしているので、スケートのことを考える時間が増えたし、覚悟ができた、という感じです。シーズン中はもちろん自分の目標を持って取り組んでいますし、シーズンが終わればまた新たな目標が生まれます。今はとにかく、全力で一日一日を過ごしていきたいと思っています。

今、意識して取り組んでいることはなんですか?

演技のクオリティはすごく上がっているので、あとは演技の隙を無くすことを意識しています。細かいミスを重ねてしまうことが多かったので、そういうことがないよう、最後まで集中力を切らさず、落ち着いて最後までやりきることを目標にしています。
そして、試合後に後悔しない練習をすること。あの時もっとやっておけば良かったと思わない練習を毎日しっかり続けるよう心掛けています。後悔のない練習の積み重ねが強さにつながると僕は信じています。

2021年GPシリーズのロシア大会で自己ベストを更新しました。
この結果についてはいかがですか?

自分の中では自己ベストも更新できたし、成長を実感できた試合ではありましたが、3位という結果だったので表彰台に立って初めて悔しかったです。ショートプログラム1位でリードしていたのに、僅差で優勝を逃してしまったという悔しさが残りました。メダルは取りましたが、満足はしていません。

友野選手は今すごく上り調子だという声が多く聞かれます。
ご自身はどう思われますか?

僕もそう思います。気持ちも上向きで、スケートが楽しいですね。成長を実感できるし、その成長した部分を演技でも出せるようになってきたことが嬉しいです。世界の大舞台でもきっちり戦えるようになってきたし、以前よりもずっと落ち着いて演技ができるようになったと思います。

休日の過ごし方を教えてください。

古着が好きなので、休みの日は古着屋さん巡りをして、その後、銭湯やサウナに行ってから大好きなラーメンを食べて、家に帰る、というのがベストな休日ライフです。だいたい友人と2~3人で遊ぶことが多いですが、1人でも全然苦になりません。
休日はスケートのことは一切考えず、気分を切り替えられるよう、趣味を増やしていきたいなと思っています。特に、疲れが癒せてリラックスできるもの。今は銭湯とサウナがお気に入りです。

今も大阪(堺市)にお住まいですが、将来的には?

ずっと大阪にいたいです!もしかしたら、スケートを辞めてから東京の会社に就職する、なんてことがあるかも知れないですけど、もしそうなったとしても最終的には地元の堺に戻って来たいです。僕は「堺愛」が凄いんですよ。歴史のある街で、おいしい食べ物もたくさんあるし、住みやすいし、自分が生まれた街を大切にしたいです。もっともっと地元愛を深めていきたいと思います。

スケートをする環境として大阪はどうですか?

大阪の方が絶対にいいと思います。スケートも活発ですし、フィギュアのナショナルトレーニングセンターも大阪にあります。立派なリンクやトレーニング設備もたくさんあるので、スケートをするには全国でも一番と言えるほど環境が整っています。

最後に皆さんにメッセージをお願いします。

僕はいつも、自分の演技を観客の皆さんにしっかり届けることを大切にしています。フィギュアスケートというのは、その人の技術力や演技レベルに関係なく、人に感動を与えられる競技であり、誰もが主役になれるスポーツです。自分自身としっかりと向き合って、自分の強みや良さを見つけ、それを磨いていくことで、人により感動を与える演技ができる、と思っています。今フィギュアスケートで上を目指して頑張っている人たち、これから始めようと思っている人たちにも、そういう気持ちで取り組んで欲しいです。
これからも僕は、観客の皆さんに『友野一希』という人間がわかってもらえるような演技をしていきたいです。応援してくれる皆さんに「ありがとう」と言葉で伝えることももちろん大切ですが、いい演技で感動を与え、いい演技で感謝を伝えることが一番の恩返しになると思っています。

【取材日】2021年12月6日 【取材協力】セントラルスポーツ株式会社
*記事の内容は取材当時のものです。

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Profile

友野 一希[Kazuki Tomono]

大阪府堺市出身。1998年生まれ。4歳から母の影響でフィギュアスケートを始める。ジュニア時代は大阪府立臨海スポーツセンターにて厳しい練習を積み重ね、徐々に成績も上位に名を連ねるようになる。2018年の世界選手権で5位となったことでその存在が大きくクローズアップされ、その後も様々な大会で上位入賞を果たす。トウループとサルコウの2種類の4回転ジャンプを得意とするほか、多彩な表情とパフォーマンスで観客を魅了する表現力豊かな演技は評価が高い。

■主な戦績
・2017 ISU世界ジュニアフィギュアスケート選手権大会(台北) 9位
・2017 全日本フィギュアスケート選手権大会(調布) 4位
・2018 ISU世界フィギュアスケート選手権大会(ミラノ) 5位
・2018 ISUグランプリロステレコムカップ(モスクワ) 3位
・2018 全日本フィギュアスケート選手権大会(門真) 4位
・2019 ユニバーシアード冬季競技大会(クラスノヤルスク) 6位
・2019 全日本フィギュアスケート選手権大会(東京) 6位
・2020 ISU四大陸フィギュアスケート選手権大会(ソウル) 7位
・2020 全日本フィギュアスケート選手権大会(長野) 6位
・2021 ISUグランプリイタリア(トリノ) 6位
・2021 ISUグランプリロステレコムカップ(ソチ) 3位
・2021 全日本フィギュアスケート選手権大会(さいたま) 5位

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