アンバサダーとしての活動内容を教えてください。
選手たちのサポート業務のほか、試合の運営管理やSNSの運営、広報活動などが中心です。その他、イベント参加や社会貢献活動もやっています。大阪府の「トップアスリート小学校ふれあい事業」では、大阪府内の小学校を訪問し、卓球教室などのふれあいを通じて子どもたちに卓球の楽しさを感じてもらい、スポーツに親しむきっかけづくりを行っています。また、社会貢献活動の一つとして、全国の保育園や小学校などに「こども卓球台(※)」を毎年、寄贈する取り組みも行っています。そうしたイベントや活動に関わるサポートもアンバサダーの仕事です。
(※)「こども卓球台」=ケガをしないよう四隅が丸くなっており、高さも一般のものより10センチ低い。
サポート業務は具体的にどのようなことをされるのですか?
選手が練習しやすいようにコートや練習場をきれいに整える他、試合の時は会場の整理や観客対応などもします。またイベントがある時は関係者の方々との打合せや、当日は会場の設営をすることもあります。
それ以外では、ツイッターなどSNSの運営管理も大事な仕事になります。広報活動の一環としてもSNSを使った情報発信は重要ですから、できる限り更新回数を増やすように心掛けています。SNSの運営は結構大変ですが、最近では2022-2023シーズンの振り返り動画の編集作業も自分でやりました。できれば、いつかSNSをバズらせたいです(笑)。
アンバサダー就任の話があった時はどんなお気持ちでしたか?
現役を引退したらスタッフとして裏方になることは決まっていました。ただ、試合やイベント、社会貢献活動などで現場を訪れる際に、何か肩書きがあったほうがいいよね、ということになって「アンバサダー」になりました。もちろん、チームには今まで無かったポジションですし、Tリーグでも私のように選手からアンバサダーになる人がいるチームはあまり無いと思います。
実際に活動をするようになったら、肩書きがあって本当に良かったなと思いました。自己紹介をする時も「アンバサダーの打浪です」と言うほうが話しやすいですから。今ではもう、試合を観に来られるファンの皆さんからも「アンバサダー!」って声を掛けていただくくらい定着してきました。
就任してちょうど一年経ちますが、振り返ってみていかがですか?
裏方の仕事って大変だなぁ、と思いました(笑)。現役の時はまったく気づかなかったです。例えば一つのイベントを開催するためには、企画から考えて、スタッフや関係者との打合せ、会場の準備、そして実行まで、やることがたくさんあって最初はびっくりしました。こんなに手間と時間をかけてやってくれていたんだと、今更ながら感謝しています。
あとは、デスクワークに慣れるのに苦労しました。普段は朝から出社して事務作業をこなしています。社会人一年生でもあったので、書類づくりや仕事のスケジュール管理、電話応対など、すべてが初めての経験で、先輩方に助けていただきながら、なんとかやってこられたという感じです。ただ今でも、会議やプレゼンで大勢の人の前で発表する時は緊張で汗だくです(笑)。
選手をサポートする側になって、卓球の見かたは変わりましたか?
現役の時は、どうやったら得点できるか、どうやったら勝てるか、戦術面ばかり考えていましたが、今はお客さん目線で観ることが多いですね。お客さんがもっと観やすくするにはどうしたらいいだろうかとか、もっと楽しんでもらうために何かできないかとか、そういう目線で考えるようになりました。
例えば、先日、お客さんが会場のスタッフと「球が小さいよね」と会話しているのを聞きました。そんなこと、今まで考えたことも無かったですが、確かにそうですよね。「もっと近くで観られたらいいのに…」と思いました。どうしたらもっとお客さんが観やすくなるか、どの角度から観るとより楽しめるかなど日々考えています。