水泳を始めたきっかけを教えてください。
両親が私にスポーツをさせたかったらしく、球技はちょっと難しそうなので、陸上か水泳か悩んだ結果、水泳を選んだそうです。水泳ならずっと続けられて、将来的にも何かに生かせるんじゃないかと考えたと聞きました。それで、京都の実家の近くにあるスイミングスクールに通い始めたのが3歳の時です。
当時のことは覚えていますか?
もともと水遊びが好きだったのでプールにもすぐに慣れて、ちょっとずつ泳ぐ練習をしていきました。インストラクターの方も特別扱いすることなく、まわりの他の生徒たちと同じように指導してくださいました。
小学3年生の頃にはかなり泳げるようになって、5・6年生では人と競い合えるくらいのタイムを出せるようになっていました。
その頃、宇津木選手にとって「水泳」はどういう存在でしたか?
スポーツというより、習いごとの一つとして週に1回スイミングスクールに通っている、という感じでした。水泳仲間の友だちもたくさんいたので、会うのが本当に楽しみでした。
中学生の時にパラ競泳に出会ったそうですが、パラ競泳に進もうと思ったきっかけは?
中学1年生の時、近畿の予選大会に出場した際に、京都のパラ競泳で活躍する一ノ瀬メイ選手の知り合いの方に声を掛けていただき、水泳にもパラリンピックという世界があるから来てみないかと誘われたんです。それまでパラ競泳という存在も知らなかったし、自分以外に水泳をやっている人に会ったことがなかったので、すごく魅力的に感じました。
競泳をやるようになって、何か気持ちの変化はありましたか?
もともと小学校で陸上競技をやっていたんです。中学生になって水泳に変わったんですが、ちょうどタイムも上がってきて、競い合える人も増えてきた時期だったので、それが水泳になって闘うことがより楽しくなりました。とにかく、人と競い合えることがすごく嬉しかったです。
競泳をやる上で、陸上の経験が強みになった部分はありますか?
陸上をやっていたお陰で脚力もつき、体力面も鍛えられていたので、それが強みとなって自信を持って取り組めたと思います。実際、競泳を始めて早い段階で一気にタイムが上がりました。新しい環境でチャレンジするという楽しさもあって、記録が出るようになったんじゃないかと思います。
宇津木選手にとって、パラ競泳の一番の魅力は何ですか?
人と競い合えることです。中学生の頃はそれほど感じなかったですけど、高校生になると、やっぱり健常者との差が生まれてきます。パラ競泳では、自分と同じように障がいのある人たちと、同じレベルのタイムで競い合える、勝ち負けを決められるというのが一番の魅力です。もともと負けず嫌いなので、競泳はピッタリですね(笑)。